Vol.9 成功する採用は業種より業態に注目

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: ドリームゲート事務局
「業態」という言 葉を、耳にしたことありますよね。この「業態」と人材の採用には、とても深い関係があるんです。人材を採用する際には、「業界」での経験よりも、類似した 「業態」での経験に着目すると、新たな人材を発見する可能性が広がります。

同じ「業種」でも「業態」は異なることがある

  「業種」とはその事業が「どんな商品やサービスを扱い」「それをどのようにするのか(作る・売るなど)」を表現しています。たとえば、花屋、クリーニング 店、家具製造業などの、よく目にする分け方ですね。それに対して「業態」とは、その事業が「どんなライフスタイルのお客さんに」「どんな独自の価値を加え た商品やサービスを」「どのような方法で提供(製造)する」か、ということです。

 私の住む街の商店街に2軒の「花屋」が あります。私鉄駅の改札口を出たところにある食品スーパーのフラワーコーナー。商店街の外れの、100平方メートルほどの広さの、大きなフラワーショップ です。この2店はどちらも、業種では「花屋」に分類されますが、顧客層や取り扱う商品の価格や種類など、商売・事業のやり方はまったく異なっています。こ の違いが「業態」の違いなのです。

 

「業態」が違った ら、「経験」の中身も違う

 食品スーパーのフラワーコーナーでは、あらかじめ作ってある小さな花束を、300円から500円で売っていま す。品揃えは洋風の花が中心で、主なお客さんはスーパーに買い物に来た主婦と、会社帰りの20~30代の女性で、自宅に飾る花を買っていきます。

  大きなフラワーショップでは、高級なバラをはじめとした多品種の切り花、蘭の鉢や観葉植物の大鉢なども取り揃え、贈答用にも対応できるようになっていま す。お客さんは幅広く多様で、法人客もいます。

 スーパーのフラワーコーナーのスタッフは、お客さんと同世代の若い女性。主な仕事は、花を 小分けして花束を作り陳列することと、レジでの接客応対です。この店のスタッフには、花に関するある程度の知識と共に、顧客のライフスタイルに通じている こと、手早い接客能力などが求められるでしょう。新しいスタッフを募集するとしたら、花屋での勤務経験は無くても、雑貨ショップや、カフェで仕事をした経 験があれば、活躍してもらえそうです。

 大きなフラワーショップには、チーフ的な動きをしていて、花やギフトについての専門知識を持った人 と、アシスタント的なスタッフが働いています。贈り物の花束を依頼すると、チーフ的なスタッフが、目的や相手の年令や趣味、送り主の希望などを尋ねて花を 組み合わせていきます。アシスタントは配達にも出掛けていきます。おそらく、ここで働いている人は、まずアシスタントとして経験を積み、花に関する専門知 識と技術を磨き、その後にチーフになっていくのでしょう。似たような花屋で仕事をした経験がある人や、花やフラワーデザインなどに関する専門知識や技術を 持った人を採用するのが良さそうです。

 

「業界経験」よりも「業態経験」に注目する

2軒とも「業種」では花屋さんですが、事業のやり方は 大きく異なっていますね。狙っている顧客層も、品揃えも、独自の強みも、まったく異なります。このように「業態」が異なると、そこで働く人に求められる知 識、スキル、経験も大きく違ってくるのです。

 人を採用する際には、つい同じ「業界」での経験を求めてしまいます。しかし、場合によって は、業界経験が特に必要ない場合や、かえって邪魔になることもあります。それよりも、自社の「業態」と採用候補者の「知識、スキル、経験」の相性が合って いる場合の方が、よい採用ができることが多いのです。

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