資金調達マニュアル 1-3:面談ではここに気を付けよう!

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: ドリームゲート事務局

【記入完了から面談まで】

記入した借入申込書を提出すると、公庫から「お持ちいだたく資料」が届きます。
「お持ちいただく資料」は12の項目が箇条書きになっており、 公庫が必要と思われるものが選び出されています。
例えば
・勤務時の源泉徴収票(平成××年分)
・預金通帳(普通・定期・積立)

・住宅ローンの支払明細表
・不動産の賃貸(予約)契約書または賃貸物件の説明書
・運転免許書

などになります。
ここで要求された資料を皆さんは、面談日までにそろえる必要があります。
 

【面談ではここに気を付けよう】

1. あせるな+切れるな

経営者になって初めての融資の面談。多かれ少なかれ緊張します。みんな同じです。

(もしこんなこと言ったら借りられなくなちゃうかな?)
(わからない、なんて言ったら良くないのかな?)

と思う瞬間もあるでしょう。
分からないときは「分かりません」で大丈夫です。
調べて分かるものは「後でお返事いたします」と言えばいいです。
とにかくあせらないでくださいね!^^

面談員からの質問が、皆さんにとって厳しく聞こえることもあります。
それが捉えようによっては、不愉快に感じることもあるかも知れません。
でも怒っちゃいけませんよ。
面談は皆さんの経営者としての資質を診断されるステージです。
あせらず、頭はクールに!です。

2. ビジネスモデルは分かりやすく

皆さんの事業が既存ビジネスではなく、ビジネスモデル自体が新しいこともあるでしょう。
面談員は「どういうビジネスモデルで、どうやって稼ぐのだろう?」を正確に理解しようとします。
面談員がそれを理解しない限り、先に進むことができません。
分かりやすく説明するために、事前に練習するも良し、説明資料を作るも良し、です。
ビジネスモデルは分かりやすく説明できる準備を事前にしておきましょう。
 

3. これを持っていこう

面談日には公庫から要求された「お持ちいただく書類」の一式を持っていきます。
面談時間は1時間半から2時間程度の一発勝負です。
この短い時間の中で、あなたという経営者・あなたのビジネスモデルを
面談員にきちんと理解してもらうために有利になるものを用意しましょう。
・ あなたが作った予測損益計算書(最後の章をご覧ください。)
・ あなたが作った資金繰予定表(最後の章をご覧ください。)
・ 作ったパンフレット(ホームページをカラー印刷したものでもOKです。)
・ 名刺
名刺なんて忘れるはずないだろ!と思われるでしょう。
しかし、面談日には多くの書類を用意することになります。
そして当日のあなたは緊張しているはずです。
名刺をお忘れになるかたが意外と多いのが事実です。
 

4. これは言わないで NGワード

A 「いくら借りられますか?」「うちは借りられますか?」
これは面談中に弱気になったり、心配になったりしたときに良く聞かれます。
面談の日に公庫の面談員は、初めてあなたとお会いします。
面談員はあなたの話を聞いて、それを元に稟議書を作成し、その稟議書に融資課長→副支店長→支店長のOKの判子が押されて、やっと融資が実行されます。
初めてお会いしたばかりなのに「いくら借りられますか?」と聞かれても、面談員は困るかあきれるか、どちらかになるでしょう。
面談時に弱気になったときでも、このセリフは良くないです。

B 「ぼくの会社は何の問題もありません」
逆に強気過ぎるのも考えものです。
金融機関は一度も遅れることなく、全額返してくれるか?を考えています。
これから事業を始めるにあたって、「何の心配も問題も無い」という経営者は問題発見能力を疑われてしまいます。
むしろ、自分の会社の弱点や自社にとって脅威となるものをきちんと理解している経営者のほうが望ましいのです。

C 「××さんに聞かないと分かりません」
面談員は社長であるあなたの口から聞きたい、という前提があります。
面談時は分かる範囲で分かることだけを答えれば大丈夫です。
誰かに頼る、という姿勢はマイナスです。
分からないところは、面談後なるべく早く電話などで対応するようにしましょう。
 

5. これは言おう お奨めワード

NGワードが存在するのなら、これを言えば必ず借りられる必殺技のようなお奨めワードはあるのでしょうか?
ゴメンなさい^^ ありません。
しかし積極的に言っていただきたいセリフはあります。

A 「もし返せなくなったら…」
起業したものの予定とおり行かない。
これは当たり前のように有り得ることです。
さらにひどいケースで、予想を大きく下回って売上がほとんど立たない。
こんな状況に陥ったらどうしますか?
万が一あなたがその状況になった時に、どうやって返済していくか。
「親に土下座して半分貸してもらい、残りはこう返すつもりです」とか。
「前職と同業の仕事に勤めて、こうやって返していけそうです」とか。
人それぞれ違うと思いますが、何らかの責任は取らなければなりません。
面談員はあなたの経営者としての覚悟と責任の取り方を聞きたいのです。
「もし返せなくなったら…」
この答えは事前に腹積もりしておきましょう。

 「返済期間を短く」
新創業融資制度の返済期間は、設備資金7年以内・運転資金5年以内となっております。
返済には無理をしたくないので、この期間内でなるべく長く返済期間を取るのは、賢い方法です。
しかし公庫側からは別の見方があります。
公庫の心配は貸したお金が戻らなくなることですし、貸しているお金があるうちは、心配がある状態です。
返済期間が長ければ長いほど、心配する期間が長くなるのです。
例えば運転資金の借入で5年(60回払)で申し込むのであれば、それを50回払と少しだけ短くするのも、いい方法です。
「返済期間を少し短くしてください」はお奨めです。
 

6. 面談は1人? or 2人?

面談は社長1人で行く場合と関係者を同行させる場合と、どちらが望ましい面談になるでしょうか?
答えは社長1人です。
社長として頼りなく見えるから、ではないです。
理由は、面談員があなたに個人的な質問をしたいからです。
創業時の融資をする上で、面談員はあなたの個人的な情報の質問をします。
具体的には、こんな質問をしたいのです。
「奥さんはどこで働いていて、年収はいくらですか?」
「ご自宅として購入したマンションは築何年で、ローン残高はいくらですか?」
「お子さんは何人いて、何歳ですか?」

このようなあなたのプライベートに触れる質問は、あなた以外の人間が面談時に同席していると、質問がしにくくなってしまうのです。
そのような理由がありますから、面談は社長1人で行くようにしましょう。

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