[意味判断]が行動を決定する

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: ドリームゲート事務局

出題・解説:羽根 拓也(アクティブラーニングスクール代表)

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夢 をかなえるために絶対に必要なことは何か?それは「行動する」ということだ。行動なくして、夢の実現はありえない。起業を目指すなら、自分の行動をマネー ジメントできる力を持つことは極めて重要だ。しかし、多くの人が自分の行動力に問題点を感じている。やるべきだとわかっていても行動できないのだ。なぜ我 々は自分の行動を思うようにコントロールできないのか?その鍵をにぎっているのが、我々の脳が自動的に行っている[意味判断]という機能だ。この機能こそ が我々の行動原理において極めて重要な役割を果たしている。

今朝、電車 の中で新聞を読んだとしよう。端から端まですべての記事に目を通す人はほとんどいない。数ある記事の中から、自分が読みたいと思える部分をさっと探し出し、 その部分のみにじっくりと目を通す。金融機関にお勤めの方なら政府の銀行への公的資金注入の記事を逃すことはない。クリエィティブな仕事をしている方なら ディズニーの新作映画がヒット中であるという記事を真っ先に読んだはずだ。そしてこのコラムの読者の方々なら、起業支援の記事を見逃すことはないだろう。

新聞を読む時、自分の読みたいところにだけ目を通す。この当たり前に行為の中に、人間の行動原理が隠されている。

我 々は、頭に入ってきた情報に対し、瞬時に[意味判断]を行う。自分にとって「意味」があるかどうかを判断するのだ。意味があると判断すれば、その後の行動 が誘引される。先ほどの新聞の例では、その記事が自分にとって意味があると判断したからその記事を読むという行動が誘引された。しかし意味がないと判断さ れれば、行動は誘引されない。その部分の新聞の記事は読まないということだ。このことから、我々が行動をおこすときに三つのプロセスがあることがわかる。

まず、
1. 「情報入力=情報が頭の中に入ってくる」

そして、
2. 「意味判断=その情報の意味を判断する」

その結果、
3. 「行動実施=それに伴った行動を行う」

である。

我々はいつもこの流れにそって、日々行動している。極めてスピードが速いので意識することはあまりないが、ここで見逃してはならないことは、我々がすべての行動の前に[意味判断]を行っているということだ。

わ かりやすい例をあげてみよう。昨日、コンビニで立ち読みした。その時、手にした雑誌に、たまたま自分の職場の近くにアジアンレストランの店がオープンする という記事がのっていた。値段もお手ごろで、ワンコイン 500円ですべての料理が食べられるという。そこにのっていたおいしそうな写真などにも心を動かされ、今日、早速そのレストランに足を運んでみた。おいしく て十分に満足した。

この行動にも上記の1. 2. 3. の流れがある。最初にたまたま手にした雑誌から、このレストランの情報を入手した。1の情報入力である。そして自分の職場に近いということ、またたった 500円で食べられるということ、そして料理の写真がおいしそうであったということから、行くに値するという判断をした。2の意味判断である。そして、結 果、翌日すぐに、そのレストランに足を運んだ。3の行動実施である。頭に入ってきたレストランの情報に対し、足を運ぶに値すると[意味判断]したから、そ の行動をとったのだ。

しかし、そう判断しない人もいる。同じ記事を読んだ人がすべてこのレストランに足を運んだわけではない。同じレストラ ンの情報でありながら、異なった[意味判断]がおこりうるということだ。我々は、通常、そのレストランが良いレストランだからそこに足を運んだと考えてい る。しかし実際には、そのレストランが本質的に良いかどうかはあまり関係がない。良いレストランと[意味判断]したかどうかが、行動を誘引する最大の決め 手になっているのだ。つまり、[意味判断]を通してイエスと判断されない限り、我々は続く行動をとることはない。すべての行動は、我々の脳が行う[意味判 断]しだいということになる。

冷静に自分自身の行動を分析すると、すべてはここから始まっている事に気づく。楽しい行動、苦しい行動があるの ではない。あなた自身が楽しい行動、苦しい行動を作り出しているのだ。過去、あるいは現在において、あなたがイエスの[意味判断]を下すのはどんなとき か?まずは自分の[意味判断]を観察することから始めよう。

 

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 【羽根 拓也 プロフィール】

日 本で塾・予備校の講師を勤めた後、1991年渡米。ペンシルバ大学、ハーバード大学等で語学専任講師として活躍。独自の教授法はアメリカでも高い評価を受 け、94年、ハーバード大学より優秀指導賞(Certificate of Distinction in Teaching)受賞。「知識を与える教育」から、「自己成長力を向上させる教育」こそが、世界に求められていると考え、97年に東京に「アクティブ ラーニングスクール」を開校。これまで日本にはなかった「自己成長力」を育成する教育機関として各界より高い評価を得ている。独自の教育理論とその指導 方法に、有名企業、政府関係機関、教育機関などより指導依頼が絶えない。

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