資本政策 Vol.04 ベンチャーキャピタリストの注目は『スマートフォンソフト市場』

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: ドリームゲート事務局
すでに国内発売から半年程度を経過したiPhone3Gですが、2009年はグーグル携帯も国内参入を予定しており、これら『スマートフォン』と呼ばれる携帯端末の市場は急拡大の予感。ベンチャー企業にとっては絶好のビジネスチャンスになるかも知れません。 個人的なユーザーレビューを交えつつ、スマートフォンの可能性などを考えてみます。

スマートフォンデビューレポート

 ベンチャーキャピタリストという仕事柄、毎日のように新しい企業の経営者にお会いします。その為、訪問する企業のホームページや、関連する業界動向、経営者ブログやニュースリリースをPDF で閲覧したりと、情報の事前チェックは大切な仕事です。

 ずいぶん前は外出前、出先で閲覧する為にプリンターで印刷をしていましたが、WEBサイトの印刷はものすごくコピー用紙を無駄にしてしまいます。結構な時間を費やすのもストレスになったのでノートPCを購入したこともありました。

 現在は、話題になった『iPhone』を利用しています。フラッシュ動画にこそ対応していないものの、普通のWEBサイトがさくさく見ることが出来ます。そのスピードはデータカード差し込んだノートPCと同等程度。PDF だってOKだし、なによりノートPCより圧倒的に軽い。これは凄いなって思いましたね。おかげで外出前にあわてて印刷することもなくなりました。

 

スマートフォンはPCの歴史を変える革命的商品

 iPhoneを触ってみて、今後のスマートフォンの市場が爆発的に拡大すると直感したのです。そう思った理由は、『即座に起動し、ワンボタンですべての機能が利用できるインターネットマシン』が実現したことです。

 これまでのPCは電源を入れて、立ち上がるのに暫く待たねばなりませんでしたが、iPhoneは、『スイッチON、インターネットボタンを押してWEB閲覧、ゲームもお気に入りのソフトをクリック。ボタン一つでOFF。』・・・書いてみれば簡単なことですが、PCを家電製品並にまで使いやすくしたことは、コンピューターの歴史に残る偉業だと思います。

 

 この革命的商品が携帯電話の機能を備え、一人一台を保有する商品に成りえるのですから、ちょっと興奮します。WEBサイトのスタイルも大きく変わるかもしれません。ユーザーがいる場所に応じて情報が変化したり。移動しているユーザーを前提にしたサービスが増えることになると思います。

 これまでこのようなサービスは既存の携帯電話をベースに開発や提供が進められており、日々進化しています。しかし携帯電話のシステムは国によって環境が異なっている事や、端末の機種が多種にわたる事などからサービス開発において大きな障害になっていたと考えられます。

 しかしスマートフォンの普及に従い、世界中の端末環境が統一されることになれば、その開発スピードは一気に進むことが期待されます。

 事実、この記事を書いている2009年1月現在、iPhoneは発売後半年でアプリケーションのダウンロード数が5億本を越えています。特筆すべきは昨年12月に3億ダウンロードを記録して1ヶ月ちょっとで2億ダウンロードを果たしてしていることです。加速度的に数値が伸びていますね。

 

スマートフォンはベンチャー企業に大チャンス

 かつて携帯電話の普及に従い、着メロ/占い/ゲームといったコンテンツビジネスがベンチャー企業に新風をもたらしました。

 従来のパッケージ商品のような商品流通に頼ることなく、優秀なソフトを開発しさえすれば、携帯キャリアがユーザーへ安定提供をしてくれるとともに課金代行もしてくれたことで、資本力の少ないベンチャー企業が大いに活躍できたマーケットだったからです。

国内の携帯電話コンテンツのマーケットは、まだまだ拡大中ですが、いくつかの大手企業の寡占状態となっており、ベンチャー企業が勝つチャンスは容易ではなくなっております。

 しかしスマートフォンにおいては、本格普及はこれからです。流通/ 課金についてはもちろん、従来の携帯電話と同様の仕組みが用意されており、ベンチャー企業にとって十分に勝機があると言えます。また、携帯電話コンテンツと最大の違いは、『スマートフォンのコンテンツは世界に同時リリースされる』というスケールメリットを享受できる事だといえるでしょう。

 

ベンチャーキャピタルもスマートフォンベンチャーに注目

 ベンチャーキャピタルの注目する企業のひとつに、『ローカルビジネスより、グローバルビジネス』というものがあります。国内専業の企業と、世界デビューをはじめから考えている企業があれば、ベンチャーキャピタルは迷わず後者の企業へ投資を検討します。

 日本は言語の壁により、『まずは国内で勝負をして、成功したら海外へ・・』というストーリーを描くのですが、シリコンバレーのベンチャー企業は、『まずは英語圏、その次はアジア圏・・』と、はじめから大きなマーケットを相手にします。

 

 これまで日本のベンチャー企業が、海外展開を果たすには相当の資本力が必要でしたが、スマートフォンならば『否応無しにいきなりグローバルデビュー』が出来ます。世界中のベンチャー起業家と戦うのですから、競争のハードルはあがります。しかし、逆に考えれば、いま世界中のベンチャー起業家が一緒にスタートラインに立っていると言えるのです。

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