美容マーケティングのトレンドキーワード

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: 阿部 エリナ

 【当記事は2015年版です。2021年版の「美容マーケティング」はこちらの記事をご覧ください】

こんにちは。女性消費者の心を掴むモノ・コト・戦略設計を中心に女性マーケティング事業を提供する阿部です。女性消費者に商品やサービスをリーチさせる事を目的にプロジェクトをご依頼いただくのですが、そのご期待にいつでも応えられるようにするためには正確なトレンド把握や予測力が非常に大切になってきます。そのため常にトレンド分析を行っています。

今回はその中でも「美容業界」の市場動向ポイントをお伝えします。美容ビジネスは参入障壁が低い分、競争が激しく生き残りが難しい業界の一つです。「美容ビジネスを始めよう!」と決めたら「他社との差別化を明確にする(その差別化内容は女性消費者のニーズとマッチするものであること)」事と「美容業界全体のトレンド」この2つをしっかり抑えた上で準備に取り組む事が絶対必須です。

今回は、後者の「これからの美容業界のトレンド」をご紹介します。すでに美容ビジネスを立ち上げていらっしゃる方もご参考にして頂ければと思います。

1.インバウンド対応について検討しよう

訪日外国人観光客数が前年同期46%増の914万人に達しました(2015年1月~6月)。今後さらにこの人数は上がっていくとされており百貨店、ドラッグストア、観光地、大型商業施設を中心にインバウンド対応が進んでいます。しかし美容業界ではインバウンド対応は少々遅れをとっており、早急に対応できるように態勢を整える事は他社との差別化の一つになる可能性は高いでしょう。

訪日外国人消費動向調査では化粧品の購入率は45.5%。国別にみると購入者単価は中国が¥48,114、他アジア諸国では¥10,000代、欧米諸国でも¥10,000代と(国土交通省調べ)高く「made in japan化粧品」のまとめ買いは今後拡大の一途と言われています。ですが、一概にインバウンド対応がプラスになるかと言えばそうとも断言できません。地域性、人的リソース問題もありますし、さらにインバウンド対応が進みすぎてしまったせいで今までの日本人のお客様のご来店が減ってしまったという例も多くあります。

弊社オフィスすぐ近くのショッピングモール内にドラッグストアがあるのですが特に中国人の爆買いがいつ行っても見受けられます。カゴの中身は化粧品や薬が多いのですが今は店員さんの半分が中国語を話せる方で店内も中国語のPOPが随分と増えました。ただそれと共に前のような「買い物体験」ができなくなり私は店舗から足が遠のいてしまいました。

インバウンド対応によるメリットデメリットをよく検討した上で今後の戦略の一つに加えてみるのもよいかもしれません。

2.ハラル対応について検討しよう

1のインバウンドと重りますが、最近はイスラム圏からの来日も増えており飲食店や宿泊施設ではハラル対応が少しずつ進んでいます。さらに「ハラルフードはヘルシーで美味しい!」という事でハラル食人気が日本人の間でも広まりつつあります。

そのような意味では美容健康業界はハラル対応との親和性の高さとしては面白い取り組みになるかもしれません。以前日本企業がインドネシアでうま味調味料を製造する際、豚の酵素を使ったことが問題になった事がありますが、ハラル対応は決して簡単ではない事も多いのですが徐々にハラル対応企業が増えてきている事も考え、またイスラム圏訪日観光客が増えている事も考慮すれば、検討する価値は大いにありそうです。

3.進む高齢社会、エイジングケア商品・サービスに商機あり

皆さんご存じのとおり日本は人口減、少子化、超高齢社会へと進んでいます。それに伴い今エイジングケア系商品やサービスの市場は拡大しています。一般的に所得・世帯年収は年齢と共に上がっていきます。

例えば70歳以上の女性は人口の約1割りを占める1400万人でこの層は理美容サービスに年間かける平均価格が¥39,299と、29歳以下の¥22,357、40代の¥34,301を抜いて全世帯でトップです(家計調査)。大手有名化粧品ブランドではすでに50代向け、60代向け、70代向け商品が相次いで出されています。例えば下記は化粧品名とそのキャッチフレーズです。

  • 資生堂のプリオール/日本のシニア女性の「今」を輝かせる
  • 花王のグレースソフィーナ/新50 代のためのグレースソフィーナ
  • ロート製薬の50 の恵み/50 歳からの肌と髪の悩みを考えて50 種類の養潤成分
  • サントリーのエファージュ/肌は、まだ、まに合う

他にも大手を中心に次々にエイジングケア系商品の開発販売が進んでいますが、中小企業から出されている商品を見てみるとまだまだ若い世代向け(20~40代)に集中しています。既存商品・サービスだけでなく、これから新たに化粧品や美容系サービスを立ち上げようという企業でも、筆者が運営する会社にご相談にいらっしゃる時は「30代向けに」「20代向けに」と若い女性向けを検討されている事が多いと感じます。

これはとても勿体ないことだと思います。勿論若い人向けの商品やサービスを否定はしませんし、勿論伸びる可能性もあるとは思いますが、すでに若い世代向けの美容系商品やサービスは飽和状態で、資金力・知名度共にある大手企業が競合として名を連ねている市場でもあるので新規参入するのは労力・コストともに苦戦を強いられます。

さらに若い人はこれからどんどん減っていく事を考えれば、まだ競合の参入が少なく、でも人口ボリュームは大きく年間消費額が高いシニアを対象にする事は、それだけで事業スタートは有利になります。

「美容」というとどうしても「若い女性」と連想しがちなのかもしれませんが今はオシャレで美容に気を遣う60代、70代、80代はとても増えています。

4.セルフ・時短・ながら美容が人気

セルフエステ、セルフネイル、セルフカット、セルフメイクサロン、セルフホワイトニング…。今「セルフ」がとても人気です。人気というよりセルフでする事によるメリットが大きいため定着してきたとも言えます。

セルフネイルサロン、セルフメイクサロンといった店舗型のセルフ美容サービスと、自宅でセルフケアをするセルフ商品との2つに大別されます。両者ともに共通する一番のメリットは「お金を節約」できる事。

「ほぼ100均ネイル」で有名なしずくさんのアメーバブログは100均商品だけでセルフネイルデザインを行うというコンセプト。大変人気で読者数も7万人を誇りこの読者数は芸能人の読者数と並ぶ程です。その人気っぷりから書籍も出版されたのですが、これだけしずくさんが支持されているのもまさに「大幅にお金を節約しながら本格的なネイルデザインが自宅でできちゃう」というセルフ美容のトレンドを象徴している事例です。自宅型のセルフ美容よりは値段が上がりますが、店舗型セルフサービスも通常のネイルサロンやメイクサロンと比較すると格安なのが特徴です。

プロ並みの道具がそろっていてそれを店員さんに気がねする事なく自由に使えるのも魅力の一つ。対して自宅型のセルフケア商品は「時短」「ながら美容」この2つのメリットが大きいのが特徴です。

今の女性はとにかく毎日が大忙しです。仕事に子育て、習い事にキャリアアップの勉強、親の介護等々。そんな忙しい毎日に「お店を探す、予約する、お店まで足を運ぶ」時間は中々捻出できません。だからこそ自宅でセルフ美容をするのは大きな時間の節約になります。さらにテレビを見ながら、PCでチャットしながら、洗濯機を回しながら「フェイスパックをする」「セルフジェルネイルをする」「セルライトケアする」といった「ながら美容」はとても効率が良い!

店舗型サービスでも、商品でも、「セルフ・時短・ながら」を考慮した戦略を構築する事はより多くの女性消費者の心を掴めるはずです。

5.ガツガツしないエフォートレス美容が今流

肩肘張らない気を抜いたオシャレをエフォートレスファッションと呼ぶこの言葉は昨年頃からよく雑誌等で見かけるようになりましたが、エフォートレスは美容にも影響しています。

「苦しい・辛いと思いながら取り組むダイエット」「面倒くさいと思いながら行うフェイスケア」等、ガツガツ頑張る美容ではなく「自分のペースで」「自分に合った方法で」「リラックスしながら」取り組む美容法が定着してきています。

数年前にブームになったブートキャンプDVDのような辛い系よりも、今は「ホテルでデジタルデトックスしながらリラックスした休日を過ごす」といった緩い系が支持を得ています。

例えばファスティングにおいても、精神力も必要になってくる「完全断食」型のファスティングよりも今は「食べるファスティング」の方が無理なく続けられると人気です。ぜひ「エフォートレス美容」のトレンドを取り入れてみましょう。

6.安くて多機能は大人気!

一つのジェルで化粧品・美容液・乳液・クリームを果たす「オールインワン系」商品のようなものを指しているのではなく、「一つの機能を持ったはずの商品が実はさまざまな使い道があった!」という意味での多機能商品の事です。

例えば大正製薬のオロナインクリーム。子供の頃から多くの家庭に必ずといってよいほど置かれている商品で一般的に浸透しているのは「あかぎれ、しもやけ、軽いやけどに塗る」軟膏、というものです。しかしオロナインにはさまざまな用途があると、ツイッターやfacebookでも話題になっています。

毛穴パック、クレンジング、痔、日焼け後の対策、弱った肌のスペシャルパックケア等用途がとにかく広く、そして効果が高い!それゆえネットでもたちまち話題に。他にもユースキンも同じく用途の広さと効果の高さから話題になっています。

次々に新商品が出てくる美容業界。何も新商品だけが消費者の注目を集められる、という訳ではありません。ずっと前からあるような既存商品やサービスの意外な使い方や効能を見せてあげる事で「便利さ」「コスパの良さ」から注目を一気に集める事ができます。もし今すでに商品・サービスがある場合は「こんな使い方もできるよ!」といったような女性消費者達が今まで気づかなかった使い方を提案してあげると新商品を出した時と同じような話題性を出す事ができます。

もしこれから商品・サービスを開発する場合は、「安くて多機能」を打ち出せるものを考慮するというのも一つの案です。

美容市場のトレンドは詳細に見ていけばもっと細分化されていきますが、スタートアップ時に事業計画をたてる際に考慮しておきたい点は主に上記6点です。また市場動向は常に変化していきますので、上記内容が2年後3年後も同じかといえば決してそうではありません。業界動向やトレンドは、あくまで事業主軸の周りをサポートするものとして常に変化させて柔軟に対応していくべき要素ですのでまずは事業主軸をしっかり決めてから上記6点を参考になさってください。その他美容ビジネスでご相談がある方はお気軽にコチラへご相談頂ければと思います。

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