Vol.2 グリーンビルにみるアメリカのクリーン技術トレンド

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: ドリームゲート事務局
先進諸国でもっとも環境への取組みが遅れている国、アメリカ。今、このイメージが大きく変わりつつあります。アメリカでも昨今は環境やエコに関するビジネス機会がさまざまな形で増えてきています。今回は、このエコビジネスの実態についてお話します。

 

よりよい環境作りに貢献する、エコビジネスの勧め

 先進諸国でもっとも環境への取組 みが遅れている国、アメリカ。今、このイメージが大きく変わりつつあります。また、環境やエコビジネスといっても日常のビジネス活動からは接点がありませ んでしたが、最近ではさまざまな形でのビジネス機会が増えてきています。と同時に、エコフレンドリーな生活スタイルはハイソの一つのステータスともなりつ つあります。

 ソーラーパネルの大型工場が建設され、所謂、新エネルギー(太陽光、風力、各種廃棄物利用、温度差熱、太陽熱、雪氷熱、各種バイオマス、Etc) や再生可能エネルギー(水力、地熱)のインフラが構築されつつあり、投資家やVC達のクリーン技術や企業への投資は年々増加傾向であり、エコビジネスが新 たな産業になりつつあります。新たな技術や製品が開発され、日本製の関連製品や周辺機器やソリューションなどの二次的なエコ技術も導入されていっていま す。

 アメリカ経済を牽引する三つのセクター、(1)住宅・商ビル、(2)自動車、(3)株式市場のなかでも環境に大きなインパクトを与え ているのが、全米の全エネルギー消費の39%、全電力の約70%を消費、十数%の水を消費、約40%の工業素材が消費され、廃材全体の30%強が出ている 住宅・商ビル分野でしょう。

 

 アメリカでは、連邦、州政府、地方自治体がそれぞれ促進役となり住宅・商用ビルのグリーン化を進めています。ここでは、それらのなかでもっともプラクティカルな第一線で実践しているシカゴ市の取組みをご紹介します。

 

Chicago Center For Green Technology (CCGT)
1952年にエネルギー省ビルとして建設され、2003年1月にリノベートされ、全米で最高のグリーンテクノロジービル(LEED資格のプラチナ受領)
の資格を取得したビル。ビルは太陽光発電、地熱発電設備で電力を賄い、雨水再利用システム、スマート電気システム、再利用
建築資材、屋上ガーデンによる省エネ化、テナントにはグリーン技術促進、グリーンビル・施設促進サービスプロバイダーなどが入居している。

・所在: 米国シカゴ市
・Erik Olsen氏:グリーンプロジェクト・アドミニストレーター
・CCGTサイト: www.cityofchicago.org/Environment/GreenTech/

―アメリカでの住宅・商用ビルにおける環境化・エコフレンドリー化を促進する手法は?

Erik Olsen

 まず、エコフレンドリーなグリーンビルディングをLEED (Leadership in Environmental and Energy Design)という定量評価資格により評価する資格制度が普及してきてます。LEEDは主に下記の基準で審査されます。

1.Sustainable Site―環境に優しい敷地選定・マネージメント
2.WaterEfficiency ―資源としての「水」をいかに有効使用するか、また使用量を減らし、エネルギー効率につなげるか
3.Energy and Atmosphere―省エネおよび環境マネージメント
4.Materials and Resources ―資源の再利用、効率的使用法等
5.Indoor Environmental Quality ―室内環境を快適に保つための取組み
6.Design Process and Innovation ―デザインプロセスおよび革新性

  アメリカでLEED資格を受領しているビルはすでに400軒以上、3400件が申請中ですよ。

―LEEDを取得すると、我々はどの様なメリットがあるのですか?

Erik Olsen
 まず、新規建築ですと建築許可書発行の短期化、インセンティブ(Tax、建設コンサルティングフィーの控除)などがあります。

―シカゴではどのくらい普及していますか?

Erik Olsen
 シカゴ市内だけでも約20件のビルがLEED 資格を取得しています。今後、さらに急ピッチで増加していく予定です。くわしくは、こちら[http://greenbean.typepad.com /greenbean/leed_certified/index.html]に掲載されているマップをご覧ください。

―これらの取組みの真の目的は何ですか?

Erik Olsen氏
 やはり、シカゴを全米でもっともクリーンで住み易い街にすることです。それにより、生活面だけでなく起業し易く、また、皆が移住してビジネスを開業しやすい環境にすることです。

 

インタビュー後記

 アメリカでは、7000社以上の業界関係者がグリーンビルカウンセルメンバーとなって年間7Bilドル(約8200億円)、年率で35%前後の成 長を示している産業分野になりつつあります。アメリカでの住居・商用ビルにおけるこのようなグリーン技術によるエコ化に大きな意味を持つとともに、皆様の 新たな大きなビジネスチャンスとなっていくことでしょう。

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