リスク

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: ドリームゲート事務局



「リスク」というと非常に抽象的で、何をどう捉えたらよいのか分かりにくいと思います。ここでは、2004年3月期の決算から上場企業等の有価証券報告書に記載が義務付けられた事業等のリスク情報開示をベースにみてみます。

近年、企業の不祥事や金融危機、震災等リスク事象の増大が著しく、投資家サイドもリスクに対する企業側のマネジメントに対して非常に関心が高くなっています。

では、具体的にリスク情報の内容として、どのようなものが挙げられているか、主なものについて以下にいくつか記します。

①マーケットリスク(景気、経済状況、為替、金利などに係るもの)
②競合リスク(競合、業界慣行などに係るもの)
③規制リスク(関連規制、法律の変更などに係るもの)
④仕入リスク(原材料の仕入、調達などに係るもの)
⑤自然災害リスク(天候、地震などに係るもの)
⑥カントリーリスク(事業展開する国の環境変化に係るもの)
⑦製品リスク(品質、欠陥、製造物責任などに係るもの)
⑧ヒューマンリスク(人材の確保、特定人物への依存などに係るもの)
⑨取引先リスク(特定取引先への依存などに係るもの)
⑩R&D、知的財産リスク(研究開発や知的財産権などに係るもの)

以上10項目ほど列挙しましたが、このほかにもそれぞれの企業でリスクと捉える事象は多々あるかと思います。企業側でどのようなことをリスクとして捉え、そのリスクに対してどう対処していくのか姿勢を示すことで、投資家から安心感と共に評価を得るポイントとなります。

なお、リスクと称することが正しいかは分かりませんが、ベンチャーキャピタルによっては、投資対象となりづらい事業がありますので、事前に情報を収集しておくことが必要です。特に法規制の強い業種や人を扱う事業については、トラブルが多いということで敬遠するVCが多いようです。

余談ですが、2011年にヒト・コミュニケーションというベンチャーが上場しました。従来人を扱い事業は敬遠されてきたのですが、途端に人材業界への投資意欲が高まったそうです。つまり業界が悪いのではなく、経営者がその業界特有の問題に対してきちっと経営課題として対応しようとしているか否かが重要で、そうした姿勢があれば、業界の別なく投資をうけられることでしょう。

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