ハリウッドならではの誕生物語
本来「プロダクトプレースメント」は、テレビCMとは関係ないところから始まりました。俳優の出演料などで高騰化する映画制作費を補填するために、ハリウッドのプロデューサーたちは企業からの機材や車両の無料レンタルシステムをさらに進め、協賛費のようなかたちで商品の提供プラス資金を調達しはじめたのがこの広告手法の始まりだといわれています。
企業にとっては、テレビCMに比べ、スクリーンを注視している観客には必ず自社商品を目に留めることができるという利点があります。さらにはストーリー上、好感を持って使われるシーンで登場すれば、自社商品の認知率、好感度は一定の上昇率を稼げると判断できたのです。
ある調査によると、テレビなどの一般メディアに比べ映画でのプロダクトプレースメントでは、2倍以上もブランド記憶率が上昇したと報告されています。
今では、ハリウッド映画にでてくるブランド系の商品や車などは、まずこのプロダクトプレースメント手法が使われているといっても過言ではないでしょう。アメリカでは、プロダクトプレースメント専門のエージェンシー(広告・PR会社)もあるそうです。
テレビCMでは得られない効果とは?
このように残像効果が高く、忘却率が低いプロダクトプレースメントの効果は、テレビCMでは得られないと考えられてきました。その理由は、観客は劇場に足を運び、お金を払って映画という作品を見に来ていることです。映像から得られる情報に対し、どん欲なまでに吸収しようとする観客の能動的な態度によるものだといわれています。
みなさんは、どうですか?
例えば、映画のなかで印象的に使われているものに、興味を覚えたことがありませんか?
また、アメリカの映画館ではあまり見かけませんが、映画の上映前に流される映画館CM(「シネアド」ともいいます)という媒体なども、テレビCMと同じ素材を流していることもありますが、映画館でしか見ることのできないCMが印象的だったことはありませんか?(かつてのダイヤモンドのCMなどは代表例ですね)
この現象も、映画館という“場”におけるプロダクトプレースメントの一種と呼んでもいいのではないかというのが私の考えです。
メディア価値の算定が急がれる
上記のように、プロダクトプレースメントは時代の流れや技術の進化に合わせて自然発生した広告手法です。しかし、その一方で、広告効果の計り方が明確になっていないこともあり、その「価格」については、まだまだ議論の余地のあるところです。
特に、アメリカのようにショービジネスが成立している土地に比べ、日本では映画内のプロダクトプレースメントをビジネスとして定着させるには、もう少し時間がかかりそうです。
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