DGトップ ファーストナビ 企業会計 コラム記事 Vol.26 違法コピーされた方が儲かるビジネスモデルが存在した!?
Vol.26 違法コピーされた方が儲かるビジネスモデルが存在した!?
企業会計    ■ナビゲーター: 西内孝文   
DVDなどのコンテンツ商品を違法にコピーされたり友達に何度も何度も貸し借りされてしまうと売り手側の売上が減ってしまいますよね。でも、その限界を超えるおもしろいモデルが登場してきました。

違法コピーの被害は甚大


 ソフトウェアなどの違法コピーが後を絶ちません。BSA(ビジネス ソフトウェア アライアンス以下BSA)の調べによると日本だけでも2112億円(2007年)の損害が発生しているようです。コピープロテクトなど、さまざまな防衛方法が考えられてきましたが、26-1コピーする側とのいたちごっこが続いているようです。
 しかし、コピー防止のための制限を強めれば強めるほど、今度は正規のユーザーの使い勝手が悪くなってしまい、きちんとお金を払った人にも迷惑がかかってしまうという問題が発生してしまうのです。
  あくまで家庭内や個人的に使用する程度の複製であれば著作権法上も問題にならないのですが、現実的にはどこまでが個人的な範囲として許されるのかが問題です。『また貸し』されてしまったり、お金を取って何度も貸すなどという行為は、著作権の保護という観点からも慎まなければいけません。

売り手のジレンマ

26-2 違法コピーが氾濫してしまうと、本来売上として入ってくるお金が消えてしまうため、コストを回収するためにはどうしても1枚あたりの単価を上げざるを得ません。
 また、レンタルショップにあるDVDなどは、通常の販売用のものとは別のもので、事前に高い補償金を支払って仕入れたものです。違法コピーが増えればこの補償金も高額になりますので、その分はレンタル料として価格に跳ね返ってくるわけです。
 もし安く販売できれば販売枚数も増えて、予算的に購入できる人も増えることになりますので、違法コピーが増えれば増えるほど販売側も正規の購入者も損をするというのが現在のしくみの大きな問題点です。

観たいときに観たいだけ、逆転の発想


 パソコン上やCS放送などではすでに一般化している方法ですが、実際に映画などを観た分だけお金を支払うという方法がありますが、一定の設備投資や基本料がかかるような契約が必要だったりして、気軽にというわけにはいきませんでした。しかし、技術の進歩により新しい取り組みが始まりつつあります。
 そこで、『DVD MAGIC』という新たなビジネスモデルが登場しました。このモデルはどんなものかを例を挙げて説明いたしましょう。コンビニなどでDVDを非常に安い値段で販売し、コンテンツの冒頭部などの一部をいつでも観ることができます。しかしその続きがみたいと思えば携帯からサイトにアクセスしてお金を払いパスワードを入手する必要があります。26-3

 そもそもコンテンツが入ったDVDが手元にあるので、わざわざ買いに行ったり、借りにいったりすることなくその場ですぐに続きが観られるようになるというメリットもあります。しかも、そのパスワードはすぐに変わるので、コピーしたり、誰かに貸したりしてもコンテンツは保護されているというわけです。それが『DVD MAGIC』というサービスです。

 販売者としてはどんどんコピーしてもらったり、貸したりしてもらった方が携帯電話を通した売上が増える仕組みなので、違法コピーを気にしなくても済むようになります。また、そもそもDVDの原価は非常に安いので、違法コピーの手間を考えたら損する程度の価格で販売してしまえば、誰もコピーしなくなるはずです。
 この画期的なしくみは、映画などのDVDだけに限らず、雑誌の付録や販促用DVDなどにも汎用性のあるしくみのようですので、今までの売り切りモデルの限界を超えて、継続的にお金が入ってくるしくみを構築できるのです。

コメント


 まずは海外ドラマ「24」のDVDから始まる流れですが、今後は様々な使い方が出てくると思います。起業家としても新しい売り方で、大きく売上を伸ばすチャンスです。


last modified 2009-01-06 18:01
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